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【独占】「インテル苦境の真因」を解任された前CEOが独白、“インテル最後の天才“と呼ばれたゲルシンガー氏が語った「AIブームとラピダス」

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投資ファンド「プレイグラウンド・グローバル」のパートナーに就任したパット・ゲルシンガー氏(写真左)と同社共同創業者兼ジェネラルパートナーのピーター・バレット氏(プレイグラウンド提供)

昨年末、インテルCEOを事実上の解任という形で退任したパット・ゲルシンガー氏。インテルの「中興の祖」とされるアンディ・グローブ氏の薫陶を直接受けた数少ない技術者であり、「インテル最後の天才」とも呼ばれた人物だ。

同氏が次に選んだ道は、シリコンバレーの投資ファンド「プレイグラウンド・グローバル」のパートナー就任だった。

6月24日、プレイグランウドのパートナーとして来日。東洋経済のインタビューに応じた。

ゲルシンガー氏の功罪

ゲルシンガー氏のキャリアは華やかだ。1979年、18歳のときに飛び級でインテルに入社。働きながらスタンフォード大学で修士号を取得し、32歳でインテル史上最年少の副社長、初代CTO(最高技術責任者)となった。2009年にインテルを離れた後はVMwareのCEOなどを歴任し、2021年にインテルCEOとして再び舞い戻った。

しかし当時のインテルは、“崖っぷち”に立たされていた。競合のAMDに市場シェアを奪われ、世界最大の半導体受託製造会社(ファウンドリー)である台湾TSMCに製造技術で後れを取る状況にあった。

鳴り物入りで復帰したゲルシンガー氏は、ビジネスモデルの大転換へ舵を切る。他社製半導体の受託製造を行う、ファウンドリー事業への本格参入を決断したのだ。

しかし巨額の先行投資やAI市場への対応遅れで業績は低迷し、ゲルシンガー体制でインテルの株価は半減。「計画の実現には長い時間と莫大な投資が必要だったが、その規模を投資家に伝えきれず、短期での成果を期待させてしまった」と、元インテル社員は振り返る。

そんなゲルシンガー氏に、インテル元CEOとしての葛藤や、ラピダスへの評価、AI半導体への見方について直撃した。

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