東雲の湾岸タワマン繁栄で「キャベツも買えない」団地の旧住人たちが発生したワケ 「フード・デザート現象」起きる街で見えた30年後の光景
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辰巳側から見える東雲のタワマン群(筆者撮影)
あっちにもタワマン、こっちにもタワマン。気付けば日本の街はタワマンだらけになった。
それもそのはず。タワマンは2024年末時点で全国に1561棟もあるという。その土地の生活、景観、価値を大きく変えてしまうタワマンだが、足元には地元の人たちの生活圏がいまも広がっている。縦に伸びるタワマンではなく、横に広がる街に注目し、「タワマンだけじゃない街」の姿をリポートする。
今回は東京都江東区の東雲地区と辰巳地区を歩いた。人口分布や世帯年収などを探ると、大規模開発の答え合わせができる。
タワマン群と団地群の対比が見える
東京メトロの辰巳駅(東京都江東区辰巳1-1-44)から地上に出て、辰巳桜橋の上に立つと、東雲(しののめ)地区の巨大なタワマン群が見える。
最初の印象は「風」だった。このあたりは埋立地で、運河が入り組んでいる。南に少し行けば東京湾だ。そこからの風が、歩きにくいほど吹きつける。
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