
1993年から毎年公表している「住みよさランキング」は、住みよさを表す各指標について偏差値を算出して、その平均値を総合評価として順位付けしている。この記事では、全国編の上位200までを公開。算出指標は、カテゴリー別(安心度・利便度・快適度・富裕度)の4つからなる20項目を選択。詳細は記事末尾に掲載している。
2025年の「住みよさランキング」1位は、福井県福井市だった。2019年以降、常にトップ10入りを続けるなど、高い評価を維持してきた同市は、歴史的にも「小京都」と呼ばれた活気ある地であり、現在は製造業が集積している点も特徴的である。
2024年3月には北陸新幹線の福井駅が開業し、首都圏とのアクセスが向上した。この影響が今回のランキングデータに反映されているわけではないが、今後、交通利便性の向上が産業や観光に好影響を与え、さらなる活性化につながる可能性を秘めている。
上位4市は変わらず、だが評価は伯仲
今回の「住みよさランキング」では、上位4市の顔ぶれは、福井市(昨年2位)、文京区(東京都、同3位)、人吉市(熊本県、同1位)、長久手市(愛知県、同4位)となったが、特筆すべきは、上位陣の評価(偏差値)が僅差である点だ。
昨年は、人吉市が特に「安心度」の評価で他を引き離したが(前回の1位と2位の総合評価の偏差値は0.6ポイント差)、今回は上位4市がわずか約0.35ポイントの範囲内にひしめく大混戦となった。
全体としても、順位の変動は、昨年と比べて少なかった。背景としていくつかの要因が考えられるが、その1つとして「子ども医療費助成」制度の普及が挙げられる。この「こども医療費助成」は、自治体の判断によって比較的短期間に変更・拡充が可能な指標であり、従来はランキングの順位変動に影響を与える要素の1つだった。
しかし今回の調査では、約700の自治体で「18歳まで・所得制限なし」となり、この水準が標準的な制度として定着したと言える。日本全体で人口減少が進行する中、自治体による子育て支援の広がりには今後も注目していきたい。
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