赤羽から徒歩10分「嘘のように静かな街」の実態 2色の水門に住民が吸い寄せられる「岩淵」の魅力

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工事の規模は壮大だ。

岩淵付近から下流に向けての約22km、幅約500mの放水路を開削し、岩淵水門を造って本流を仕切り、大正13年(1924年)に通水した。「荒川放水路」と呼ばれる水の逃げ道だ。水門付近から下流の荒川は要するに「荒川放水路」なのである。

そして今年、2024年は通水から100周年にあたる記念すべき年だ。10月にはイベントなども開催され、地元住民だけでなく、各地から客が訪れた。

青門
2024年10月12日に行われた通水100周年記念イベントの様子。奥に見えるのが青水門だ(筆者撮影)

1924年の10月12日に通水式を行った荒川放水路は、その後一度も決壊することなく、東京、埼玉の沿川都市の発展を支え続けている。

水門の見える荒川の土手は、住民たちの憩いの場だ。この日も、何組かの家族連れが土手の芝生にシートを広げてピクニックを楽しんでいた。

岩淵町は荒川に隣接するように位置する街だが、この土手があるおかげで水の被害から守られている。もちろん、自然にできた土手ではない。

国土地理院発行の運営する電子国土Webより

これは、JR赤羽駅から岩淵水門までの海抜の断面を図式化したものだ。左端が赤羽駅で、右端が水門の付近だ。左から右に向かって、なだらかに海抜が下がっているのがわかる。

しかし、ひときわ高くなっている場所がある。これが荒川の土手だ。最も高いところで11mを超える。土手は、水の被害から街を守るために造設された堤防なのである。

堤防は地域の風景に馴染み、上を通る道路はウォーキングやペットの散歩、ジョギングのコースとして親しまれている。

せっかくなので赤羽にも行ってみよう

さて、岩淵町を語るには、赤羽を素通りするわけにはいかない。岩淵町の最寄り駅は東京メトロの赤羽岩淵駅なのだが、そこから南に向かって10分ほど歩けばJRの赤羽駅だ。

東京メトロのHPによれば、赤羽岩淵駅の2023年度の乗降客数は1日平均8万9097人である。一方、赤羽駅は同17万3036人(2022年「不動産情報ライブラリ」より)だ。

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