映画【国宝】に感化され、10年ぶりに《歌舞伎鑑賞》したら凄すぎた! 歌舞伎座で“市川團十郎”の舞に酔いしれた「最高の平日」を徹底ルポ

今年を代表するヒットになっている映画『国宝』がついに興行収入50億円を突破した。歌舞伎ファンの年配層だけでなく、若い世代も映画館に足を向け、夏休み本番に向けてまだまだ数字を伸ばしていきそうな勢いを見せている。
そんな社会現象的なヒットになるのと同時に、本家の歌舞伎にも注目が集まっている。歌舞伎興行の松竹のオンライン鑑賞券販売サイト・チケットWeb松竹を見ると、この2週間ほどで席種によって売り切れになる公演日が増えている。
そんななか、筆者は『国宝』に感化されたファンのひとりとして、10年ぶりに歌舞伎座公演を観劇した。映画を観た後だと、そこからの小さくない歌舞伎への意識の変化からか、感じ方や楽しみ方がまったく変わっていた。
映画『国宝』が描いた世界のリアルを観に行く

『国宝』は、日本の伝統芸能である歌舞伎を美しく映しながら、その裏の歴史ある芸能の世界の閉鎖的な社会と、そこに息づく人間ドラマが物語の軸になる。
上方歌舞伎の名門の当主に引き取られた任侠一門の子どもが、当主の血を引く息子との血筋と才能をめぐる跡目争いを経て、人間国宝になるまでの壮絶な人生が描かれる。
そんな本作から観客は、芸能の世界に生きる彼らの生きざまをまざまざと目の当たりにし、彼らが人生のすべてを捧げる歌舞伎の世界と、劇中劇として演じた演目に触れる。映画に心を打たれた観客は、彼らが命をかける歌舞伎そのものにも興味を持つだろう。
そのひとりとして、実際に東京・歌舞伎座で7月中旬に観劇してきた。
伝統芸能の興行というとハードルが高く感じられるかもしれない。しかし、映画館に映画を観に行くのとほとんど変わらない。歌舞伎座に行くだけ。そこで生の伝統芸能を肌で感じて、楽しむことができる。歌舞伎興行に行ったことがないけど気になっている人に参考にしてほしい。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら