
片山善博(かたやま・よしひろ)/大正大学特任教授 地域構想研究所所長。1951年生まれ。74年東京大学法学部卒業、旧自治省に入省。99年鳥取県知事(2期)。慶応大学教授、総務相、早稲田大学公共経営大学院教授などを経て、2022年から現職(撮影:梅谷秀司)
仕事量と責任は激増、なのに賃金上昇は限定的。管理職の仕事の“罰ゲーム化”が深刻になっている。本特集では、そのわなから抜け出すためにできることを徹底解説する。
総務相や鳥取県知事を務めたことで知られる片山善博氏。「管理職」のイメージは薄いが、公務員時代は旧自治省や出向先の省庁での管理職経験が非常に長い。これから管理職になる人への助言をもらった。
──管理職は「罰ゲームだ」といわれています。
組織にとっては大きな損失だよね。そんな風潮は日本全体においてもたいへんなマイナスだろう。
私が長く経験した公務員の世界は民間よりもそれに当てはまる。行政改革で職員数を減らしてきたのに、その一方で「働き方改革だから長時間労働をやめろ」と掛け声がかかる。社会変化に伴って、役所の仕事は増える一方だ。「どうやって案件を処理していくのか……」と悲鳴が上がる。
上層部は「管理職に期待する」と丸投げするだけ。管理職におけるプレーヤーへの比重は高まるわけで、彼らは目が回るほどの仕事量をこなさなければいけない。
自分の手で好循環を
──公務員時代、片山さんはどうやって対処してきましたか。
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