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〈インタビュー全文〉元日本代表・中村憲剛の「叱る言葉」「褒める言葉」。司令塔から学ぶ“最強の会話力”

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元プロサッカー選手 中村憲剛氏
中村憲剛(なかむら・けんご)/元プロサッカー選手。1980年生まれ。中央大学卒業後、川崎フロンターレに入団し、現役生活18年を過ごす。日本代表として2010年南アフリカW杯出場。現役引退後はコーチや解説業など多分野で活動(撮影:尾形文繁)

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40~50代のビジネスパーソンにとって、部下との「会話力」は組織内で生き残るための必須条件だ。本特集「最強上司の会話力」では、現状打破へのヒントを余すところなくお届けする。

Jリーグの川崎フロンターレを18年間にわたって牽引し、日本代表としても活躍したのが中村憲剛氏である。仲間と向き合い、言葉を尽くしてチームを束ねた司令塔は、引退後も伝える力を武器に、指導者として新たなステージを歩んでいる。

ロッカールームは大事な場所

──現役時代、チームをまとめるうえで大事にしていたことは?

サッカーには勝利や優勝という明確な目標があるので、チームが目指す方向性は一致させやすい。でも30人ほどのチームの中で、スターティングメンバーは11人。ほかの選手はベンチか、ベンチ外になる、という宿命がある。

例えばスタメン発表の後、悔しくて帰ってしまう選手もいれば、筋トレで追い込もうとする選手もいる。僕は落ち込んでいる様子が気になったら、ふらっと筋トレルームに行って話を聞く。帰ってしまった選手は、次に会ったときにまだ気持ちが切り替えられていないようだったら話をする。メンバーの表情や言動、しぐさをピッチ上はもちろん、ロッカールームでもよく見るように心がけていた。

そういう意味ではロッカールームは本当に大事な場所。調子がいい選手がいたときに、もっと乗せる声かけをしたほうがいいのか、ちょっとクギを刺したほうがいいのか。どちらの声をかけるべきなのか……。ロッカールームでの様子を僕はじっと見定めていた。

新卒もいれば中途採用もいる企業の状況とよく似ていて、サッカーチームも入団までの経験はさまざま。体の大きさや身体能力、技術などが異なり、選手によってできることが違うのは当たり前。そんな前提を忘れず、それぞれに合った声かけやアドバイスをするように頭をひねる。みんな同じではないから、頭の中には選手一人ひとりの「個別対応マニュアル」が入っている感じだった。

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