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〈インタビュー全文〉元日本代表・中村憲剛の「叱る言葉」「褒める言葉」。司令塔から学ぶ“最強の会話力”

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──年齢が上がるにつれ若い選手との壁を感じたり、叱ったりしたことは?

聴いている音楽がまったく違うことにあぜんとしたことはある。でも、意外とそういう違いからコミュニケーションが生まれたりするから面白い。

叱るような場面か……。どんな選手もミスをしたら内省し、改善しようとするはずだから、基本的には叱るというより、僕の目から見た分析を踏まえて、その選手が前向きになれるアドバイスをしたいと思う。もし、その分析が外れていたら「え?」と思われ、話を聞いてもらえなくなる。だから、まずは人をちゃんと見る目を持っていないとダメ。

適度な距離感で興味を

当然、自分が判断を間違うときがある、という認識も持っている。だから「今から話すことが正解とは限らないけれど……」と前置きして、「長くいろいろな選手を見てきた中で、こうしたほうがいいと思う」「実際に自分のものにしていくかどうかは自分自身だから」と話をすることが多かった。多くの後輩たちは、僕の言葉を受け入れてくれたと思う。

点は取ったんだけれど、その選手は全体で見たらあまりいいプレー内容ではなかった試合もある。そういうときは「ナイスゴールだった」「すばらしかった、ありがとう」と褒める。大事なのはその後。よくなかった部分をズバリ指摘して改善を促す。いきなり否定から入るとそれは聞いてもらえないんで……。話す内容と順番をすごく意識していた。

──どうやって人を見る目を養ったのですか?

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