
渋谷パルコに行く“目的性の強さ”
――渋谷パルコに足を運ぶと多くの訪日外国人でにぎわっています。実際、同店の客数・売り上げともに絶好調です。
パルコは今、国内外からのお客様を非常にうまく集められる状況を作っていると思う。ラグジュアリーブランドは、どこにいても買えるが、パルコには「東京に来たら渋谷パルコに行きたい」というような“目的性の強さ”がある。
特にインバウンド客はSNSを中心に客同士で情報を拡散していく側面がある。渋谷パルコに足を運んだ人が、自国に帰ったあとも「日本に行ったら渋谷パルコに行くといいよ」と発信し、共有されることで、今のような状況につながっている。
時間がかかることだが、J.フロント リテイリング全体としても(渋谷パルコと同じように)店を「ディスティネーション(目的地)」にしていくことを今強く意識している。
昔であれば、乗降客数が多いターミナル駅に直結した百貨店が売り上げを伸ばせる状況だったが、コロナ禍を経て、わざわざ電車に乗って会社に通勤するということが当たり前ではなくなってきた。たとえターミナル百貨店だとしても「わざわざそこに行きたい」と思ってもらえる店にならなければいけない時代になってきている。
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