「つぶれる百貨店」「生き残る百貨店」の明確な違い インバウンド需要の恩恵があるのはごく少数

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(写真:編集部)

2024年も百貨店業界では、閉店や経営破綻のニュースがいくつもあった。記憶に残っている事例を挙げれば、松江市の一畑百貨店本店や岐阜市の高島屋岐阜店が閉店。これによって島根県、岐阜県が山形県、徳島県に次ぐ、「百貨店なし県」となったことで全国的にも話題となった。

そのほか中堅都市からは、尾道(広島)の福屋、弘前(青森)の中三なども消えた。閉店ではないが、2023年末に事業譲渡による再生、となった佐賀玉屋は、新たな複合商業施設への建て替えに向けて、一時閉鎖となった。

また、鹿児島を中心として南九州に多くの拠点を持つ山形屋グループは、事業再生ADR手続きが成立し、スーパーを含めたグループ再構築が始まっている。コロナが終わっても、地方都市では百貨店が減り続けている。

名古屋駅前の百貨店の閉店はなぜ?

ところが、大都市においては、百貨店はインバウンド需要の復活や富裕層の旺盛な消費の恩恵を受けて、売り上げが大きく伸びており、大手は過去最高売上を達成するなど絶好調である。

インバウンドの恩恵に乏しく、富裕層の厚みもない地方においては、コロナ前の水準に回復していない地域が多く、それが地方百貨店の閉店につながっている。

そうした中、愛知県の名古屋駅前に位置する名鉄百貨店本店が2026年春に閉店すると報じられた。三大都市圏の名古屋の百貨店が閉店というちょっと意外な話であり、ネットでも話題になっていた。何が起こっているのか、少し見てみることにしよう。

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