百貨店・アパレル企業の生き残り戦略とは。
好立地でもビジネス客が弱い
J. フロント リテイリング 社長 好本達也
百貨店業界は厳しい状況でも、ラグジュアリーや化粧品は売り上げを伸ばしてきた。松坂屋銀座店の跡地に開業した銀座シックスは、伸びしろの大きいラグジュアリーモールへ振り切った点が功を奏した。従来型の百貨店なら数百人が必要なところ、定期賃貸借契約にしたことで30人くらいで運営している。
欧米に比べ日本は中間層が分厚いといわれる。デパ地下や物産展、外商など日本独自の仕組みもある。日本の消費者は本来、百貨店が好きだと思う。だが日本社会が二極化する中で、中間層がそうとう減ってきている。海外のファストファッションやeコマースも出現し、シェア獲得競争が激化する一方だ。中間層向けで成長が鈍化した部分を、ラグジュアリーに振り向けるのは必然の流れだろう。
大丸東京店や梅田店はターミナル立地という利便性が強みだが、客数は依然コロナ前以下。旅行客は回復してもビジネス客が弱い。対して、街中の百貨店では街歩きと買い物の両方を楽しむ体験に価値を感じる人が増えている。立地や特性を見て、オーダーメイドで店を開発していく。
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