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業績絶好調なのになぜ? 「都心百貨店 消滅の先」 渋谷、新宿、池袋で閉店や売り場縮小が相次ぐ

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都心の百貨店で何が起きているのか。

西武池袋本店、伊勢丹新宿本店、銀座シックスの店舗外観
(写真:記者撮影)

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業績絶好調でわが世の春を謳歌する都心百貨店がある一方、駅前再開発でその存在意義が問われ、閉店する店舗も多い。
『週刊東洋経済』2月17日号の第2特集は「都心百貨店 消滅の先」。富裕層へとターゲットを切り替え、生き残りを図る各社の最新リポートをお届けする。
【配信予定】
2月10日(土)

コロナ禍で地獄を見た百貨店アパレルの現在地
2月11日(日)
「J.フロント&三陽商会」 両トップインタビュー
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タイムリミットまで、あと半年──。西武池袋本店の改装計画が混沌としている。

「1階にはディオールとルイ・ヴィトンが出店する計画だが、1階のどの区画に出すかで調整中」(そごう・西武関係者)。同じ仏LVMHグループ傘下のブランドながら、好立地をどちらに譲るか決まらない。ほかのラグジュアリーブランドは言わずもがなだ。

衣料は「紳士・婦人服売り場は7〜8階になると聞いている」(アパレルメーカー)など、売り場再編の混乱は続いている。デパ地下や屋上など、ファンの多いフロアにも大きくメスが入る。

2023年9月、そごう・西武が米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに売却された。西武池袋の争奪戦において、フォートレスがビジネスパートナーに選んだのが、家電量販のヨドバシホールディングス(HD)。同社は西武池袋の土地などを約3000億円で取得した。西武池袋の60%がヨドバシカメラの売り場になるとされる。

ヨドバシ進出を懸念する声

依然として、ヨドバシ進出を懸念する声は根強い。「家電量販店内にもブランド品を扱う売り場があり、同じビル内で共存することを嫌がる出店ブランドもいる」と関係者らは不安を抱えている。8月末までに、そごう・西武からヨドバシHDへ西武池袋の建物が引き渡され、その後改装に入り25年に再オープンする予定だ。

その後も正念場は続く。ヨドバシHDが西武池袋の土地を取得したため、家賃が新たに発生する。そごう・西武は今後1つのテナントとして営業することになる。「百貨店が“床”を持つ、持たないというのは、お客さんには関係のないこと。ただ百貨店として、経済的な意味はそうとう大きい」。大手百貨店幹部は、そう力説する。

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