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業績絶好調なのになぜ? 「都心百貨店 消滅の先」 渋谷、新宿、池袋で閉店や売り場縮小が相次ぐ

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これまでそごう・西武は池袋本店の土地を所有し、固定家賃がなかった。3000億円の有利子負債を抱えていたため、利息の支払いなど負債コストはあったが、事情に詳しい関係者は「その額は大きな負担ではなかった」と話す。

しかし現在、そごう・西武が出店ブランドから得ている(対売上高の)家賃比率より、ヨドバシHDがそごう・西武に対して求める家賃比率のほうが高くなっているという。その差額分がそごう・西武の持ち出しとなれば、収支は大幅に悪化する。ブランドとの長年の付き合いを考えると、家賃引き上げ交渉のハードルは高い。

前出の百貨店幹部は、「家賃は時価で決まるから、テナントの価値が上がれば家賃も上がる可能性がある。大家からすれば、何かと理由をつけて上げようとするのは当然」と付け加えた。西武池袋には、幾多のハードルが待ち受ける。

東京一極集中の必然

日本全国の百貨店が、次々と閉店へ追い込まれている。国内百貨店の売上高は、15年の間に2兆円超も減少した。深刻なのが地方百貨店で、地盤沈下が止まらない。一方、東京地区の売り上げ規模は、コロナ禍の影響を除けば横ばいで推移する。

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