【夏ドラマ】注目作の中間評価つけてみた。冴えないTBS…テレビ朝日が気を吐き、カンテレは健闘。塗り替わる【ドラマ界の勢力図】を徹底解説

8月半ばを過ぎ、後半戦に突入した夏ドラマ。飛び抜けた話題作のない7月の序盤戦だったが、8月に入ってもその流れは変わっていない。『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』をはじめとした映画興行の盛り上がりに、すっかり世間の話題を持っていかれてしまっている。
とくに気になるのが、かつての“ドラマの雄・TBS”の陰りだ。看板枠の日曜劇場は視聴率こそ健闘しているが、SNSやネットニュースの話題にはそれほどならず、ほか枠も視聴者をとらえられずにいる印象だ。
一方、話題作を連発して気を吐くのがテレビ朝日。今期のリーディングヒッターだ。そして、良作の多いカンテレは、前期に続いて尖ったドラマが視聴者を掴んでいる。
今の作品を昔のそれと単純比較するのはあまりに酷で、ネット配信サービス全盛の現在は視聴率だけで作品の良し悪しを一概に判断できない。ただ、『御上先生』(TBS)などが注目を集めたわずか数カ月前の冬ドラマと比較しても、この夏クールは“世の中的な話題作”が生まれていない印象だ。
良質な人間ドラマだが…それほど話題にならぬ日曜劇場
今年に入ってTBSの不振が続いている。夏ドラマの中盤に至っても凪状態だ。名作枠でありブランド認知の高い日曜劇場『19番目のカルテ』の苦戦が、昨今のTBSの不調を象徴している。
医療ドラマは根強いファンが多い鉄板の人気カテゴリであり、数々の人気キャラクターを演じてきた松本潤の主演であることも事前の期待を高めた。しかし、放送開始後にその期待値に届いていないのが現状だろう。
ストーリー自体は決して悪くない。さまざまな患者の病とそれぞれが心の底に抱える悩みや人生そのものにスポットを当て、彼らの背中をそっと押す総合診療医の仕事ぶりをフィーチャーする良質なヒューマンドラマだ。
これからの展開にまだ期待しているが、筆者は5話まで見て、まだ強く感情を揺さぶられてはいない。どこかでひとつインパクトのあるエピソードが挟まれ、それがラストまで引っ張られるのでは、と待ちながら、全体の半分が過ぎようとしている。
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