五反田から6駅でも「野鳥がいる街」の奥深い魅力 隣駅まで600メートル、東急池上線・洗足池の生活

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さて、今回は少し趣向を変えて洗足池駅の隣、東急池上線「長原駅(大田区上池台1-10-10)」から洗足池駅まで歩いてみた。

「直線距離で600mほどだし、道中には勝海舟記念館などもあって面白いよ」

東急池上線沿線に住む友人にそう教えられたからだ。

東急線は、長原駅の隣、旗の台駅で池上線と大井線が交差している。このあたりは駅の間隔が短いので隣駅まで歩くのはさほど苦にならない。

駅の間隔が短いということは、駅を中心とした街区が高密度に形成されているともいえる。間隔は短いが、駅ごとに街の表情が変わり、歩いているだけでもその街ならではの空気を楽しむことができる。

長原駅は、JR五反田駅から東急池上線に乗り換えて、6駅目だ。ここも、「住むとちょっといい街」である。

国土地理院 電子国土Webより(筆者作成)

地図で赤くマーキングしたあたりを歩いた。

こぢじんまりとした長原駅の駅舎は2021年に「木になるリニューアル」ということで、軒下に木材を使った温かみのあるデザインに生まれ変わった。駅前の商店街の雰囲気とマッチしていい感じだ。

長原駅
東急池上線「長原駅」軒下にぬくもりのある木が使われている(筆者撮影)

街のことを紹介する前に、少しだけ愚痴を書く。

もともと街歩きが好きで、この連載は個人的にも楽しんでやっているのだが、最近気になる報道を見た。

都内の住宅街で、不審な男が特定の住宅にカメラのようなものを向けて撮影している。「もしや闇バイト強盗の下見か!?」不安になった住民が警察に通報した。

そんな事案だ。

この男が本当に闇バイトなのか、真相はわからない。しかし、不安になる住民の気持ちはわかる。

さて、ここからが愚痴である。

筆者のやっていることは、この不審人物と大差ない。得体の知れないおっさんが、都内の住宅街をぶらぶら歩きながら、写真を撮っているのだ。はたから見れば、たぶんかなり怪しい。幸い警察官の職質などはまだ受けたことはないが、いつ通報されてもおかしくない、ように思う。

街の取材はぶらぶら歩いて、そこに暮らす人に話を聞いて、これはと感じる風景があったらカメラを向けて、時々ノートにメモを取りながら、またぶらぶらする……やはり、かなり不審だ。

だからいつも、スマホで当連載のトップ画面を素早く見せられるようにセットしておき、名刺もすぐに取り出せるよう準備している。何か言われたら光速で説明できるようにだ。

と、愚痴はこのくらいにして、今回も圧倒的に怪しい男が住宅街をぶらぶらしながら見聞きした街の魅力を語るのである。

「あればラッキー焼肉定食」

長原駅前は、すぐに商店街だ。車1台が通れるかな、くらいの道幅に赤レンガが敷き詰められている。雨が降っても滑りにくく、歩きやすい。この赤レンガの通りは、商店街をぐるりと囲むようにかなり広範囲に続く。

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