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水素バブルははじけたが、欧州は推進方針を堅持。日本は「敗戦」回避へ、戦略の再構築が急務

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建設中のグリーン水素プロジェクトの施設
オランダのロッテルダム港で建設中のシェルによるグリーン水素プロジェクト「Holland Hydrogen1」(写真:筆者撮影)

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脱炭素から安定供給の危機へ――。目まぐるしく変わる世界情勢。日本は困難を乗り越えられるか。本特集では、混迷を極めるエネルギー業界の最前線に迫った。

世界が水素ブームに沸いたのは、2020年から23年にかけてのこと。20年は主要国が水素戦略を発表した年であり、23年までに50カ国・地域が水素戦略を発表した。毎年秋に「グローバル水素レビュー」を発表している国際エネルギー機関(IEA)はその22年版(22年9月発表)で、「ウクライナ危機が水素の機運を加速している」と分析している。

多くの大規模プロジェクトが中止・中断

しかし24年以降、多くの大規模プロジェクトが中止・中断し、逆風が吹いている。

ヨーロッパでは米大手化学企業エアプロダクツのイギリス水素輸入基地プロジェクト(総投資額約4230億円)、ヨーロッパ製鉄大手アルセロール・ミタルの水素製鉄プロジェクト(同約2200億円)が、オーストラリアではクイーンズランド州水素プロジェクト(同約1兆4000億円)や鉄鉱石採掘企業フォーテスキューのプロジェクト(同約240億円)が中止となった。直近のグローバル水素レビュー25年版(25年9月)も、高コストと不確実性、インフラ整備の遅れなどが足かせとなり、環境負荷の小さいクリーン水素の将来の製造量の見通しを減少させた。

では水素は“終わった”のか。

停滞が明らかなのはアメリカである。気候変動を詐欺と断言するトランプ大統領は、バイデン前政権が進めてきたクリーン水素政策のほとんどを撤回した。

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