2022年、ロシアのウクライナ侵攻によるガス価格暴騰でヨーロッパの産業や家計が悲鳴を上げる中、日本は原油価格連動のLNG(液化天然ガス)の長期契約によって「安定供給」と「安定価格」を享受し、影響を比較的軽微にとどめて危機を乗り切った。
その後、政府はこの成功体験から長期契約の重要性を再確認し、事業者へその確保を促してきた。だが現場の反応は鈍い。その背景には、日本のLNG需要見通しの極めて大きな「不確実性」がある。
最大の不確定要素は原発
まず直視すべきはLNG輸入量の約65%を占める電力向けと、約35%を占める都市ガス向けとで事情がまったく異なる点だ。
過去20年間の電力向けのLNG需要の変化を振り返ると、前半の10年は消費拡大と原子力発電所の停止で6割も急増したが、その後の原発再稼働や省エネルギー・再生可能エネルギーの普及で、その急増分が丸ごと消失した。
このような過去の経緯に加え、将来需要についても、変数が多すぎてまったく見通せないという極めて高い不確実性を抱えている。
最大の不確定要素はやはり原発だ。再稼働認可の進捗次第で、LNG需要は最大2000万トン(年間)もの振れ幅が生じる。さらに40年代半ばからは既存原発の運転停止ラッシュも始まるが、建て替えが間に合うかは不透明だ。



















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