天然ガスの主成分であるメタンは、20年間のタイムスパンで評価した場合、二酸化炭素(CO2)の84倍もの地球温暖化効果を持つ。石油や天然ガスの生産や輸送の過程で大量のメタンが環境中に排出されており、その削減対策が急務となっている。こうした中、メタン排出問題をめぐり、欧州連合(EU)とアメリカの間で深刻な摩擦が起きている。
トランプ政権が猛反発
EUは2024年5月、石油や天然ガス、石炭生産におけるメタン排出状況の報告および排出削減をエネルギー事業者に義務づける法律を世界に先駆けて制定した。
規制の対象はEUに輸出される石油や天然ガス、石炭にも及ぶ。30年以降はメタン強度(生産量に占める環境中への排出量の割合)を一定以下に抑えることが義務化される。一連の規制に違反した場合、罰則も科される。
このEUによる規制にアメリカのトランプ政権が猛反発している。ロイター通信は25年12月16日、アメリカのクリス・ライト・エネルギー長官がEUに対し、アメリカ産液化天然ガス(LNG)に関して法規制からの適用除外を求める書簡を送ったと報じた。EUは例外とすることはできないとしており、アメリカ・EU間での対立が表面化している。
日本のエネルギー企業も対岸の火事では済まされない。日本企業は昨今、アメリカ産LNGの調達を拡大しており、その一部はヨーロッパに振り向けられている。



















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