中国の石油需要は2025年前後に年間約7億7000万トンでピークを打ち、減少に転じる――。中国石油集団経済技術研究院(ETRI)は12月11日、北京で開催した国際エネルギーフォーラムでそんな予想を示した。
ETRIは中国の国有エネルギー最大手、中国石油天然気集団(ペトロチャイナ)傘下のシンクタンクだ。その推計によれば、2024年の中国の石油需要は前年比微増の約7億5600万トンに達するものの、2025年以降は徐々に減少していき、2060年にはピークの3分の1の約2億4000万トンに縮小するという。
消費構造に大きな変化
それだけではない。石炭や天然ガスを加えた「化石燃料」全体でも、中国の需要は2028年前後にピークを迎える見通しだ。ただし(二酸化炭素の排出量が相対的に少ない)天然ガスの需要は今後もゆるやかに拡大し、2035年には年間6200億~6500億立方メートルに達して安定するとETRIは予想している。
中国の石油需要が減少に転じる背景には、消費構造の大きな変化がある。石油の2大用途は(自動車や飛行機などの)輸送機器の燃料と化学工業の原材料だが、近年は燃料向けの消費の伸びが鈍化している。2010年から現在までの消費量で比較すると、原材料向け石油製品の年平均増加率が8.3%だったのに対し、(ガソリン、軽油、航空燃料などの)精製油は同3.5%にとどまった。
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