国際石油市況の軟化の裏に中国の「EVシフト」 世界最大の自動車市場で新車の半分がEV・PHVに

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中国は世界第2位の石油消費国であり、需要構造の変化が国際石油市況に与える影響は大きい(写真は中国のエネルギー海運大手、中遠海運能源運輸のウェブサイトより)

石油需要の変動は景気循環と密接な関係がある。国際原油相場は2024年7月から下落傾向が続き、9月上旬には1バレル当たり70ドル(約1万円)を割り込んだ。

その要因について、市場関係者の間では「中国の需要が予想以上に落ち込んだため」との見方が主流になっている。中国の景気は7~9月期から明らかに減速しており、石油製品の需要が減少しているのは事実だ。

景気循環だけでは説明できず

とはいえ、石油市況を左右するのは景気循環だけではない。今日においては、再生可能エネルギーの大量導入に象徴されるグローバルな「脱炭素」の動きとともに、(世界最大の自動車市場である)中国の急速なEV(電気自動車)シフトの影響が無視できない。

中国の新車販売台数に占めるEVおよびPHV(プラグインハイブリッド車)の比率は過去数年で急上昇し、2024年8月には53.9%に達した。これは新車の2台に1台以上がEVまたはPHVになったことを意味し、中国の石油需要に(景気循環とは別の要因として)多大な影響を与えている。

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