国際石油市況の軟化の裏に中国の「EVシフト」 世界最大の自動車市場で新車の半分がEV・PHVに

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中国の石油消費は世界全体の約16%を占めている。その中でも、自動車が消費する(ガソリンや軽油などの)精製石油製品の割合は大きい。

(訳注:中国では石油消費の4~5割が交通運輸セクターで使われているとされる)

それだけではない。EV・PHVは普及率の上昇と同時に、1台当たりの走行距離も大幅に伸びている。中国ではネット配車サービスに(ガソリン車よりもランニングコストを抑えられる)EVが大量投入されており、個人のマイカーよりはるかに長距離を走行しているからだ。

中国の先物取引業者、華泰期貨の予想によれば、中国市場におけるEVとPHVの販売台数は2024年に1000万台を上回り、累計の保有台数は3000万台に達する。それにより、中国のガソリン消費は(すべてガソリン車だった場合に比べて)15%以上縮小する可能性があるという。

大型トラックも天然ガス車に

今後、自動車の保有台数に占めるEV・PHVの比率がさらに高まるにつれて、中国のガソリン需要はピークを打ち、減少に転じていく。

中国では乗用車のEVシフトとともに、大型トラックの天然ガス車への転換も加速している(写真は国有トラック大手、東風商用車のウェブサイトより)

中国の国有エネルギー大手、中国石油天然気(ペトロチャイナ)のシンクタンクである中国石油経済技術研究院は、中国の石油需要が2030年より前にピークを迎えると予想する。中でも(ガソリンや軽油などの)精製石油製品の需要は、EV・PHVの普及や大型トラック用燃料の軽油から天然ガスへの切り替えが加速することで、2025年までに頭打ちになる可能性があるという。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

4~6月期の中国の石油需要が予想を下回った背景について、アメリカの金融サービス大手のS&Pグローバルは、最新の調査レポートで次のように分析した。

「中国経済の減速、建設業および製造業の需要低迷、異常気象の頻発などさまざまな要因がある。それらとともに、乗用車のガソリン車からEV・PHVへの置き換え、大型トラックのディーゼル車から天然ガス車への置き換えが大きく影響したのは明らかだ」

(財新記者:王晶)
※原文の配信は9月23日

財新 Biz&Tech

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