6000人超の高齢者と向き合ってきた医師が見た 「人生の最期」幸福感を決める"カギの正体" 《幸福のピークは82歳以上》という衝撃の事実

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
不機嫌なシニア
現役時代に高い地位や立派な肩書きを持っていた人ほど、定年後、「なぜかいつも不機嫌そうな人」になりがちです(写真:Komaer/PIXTA)
この記事の画像を見る(2枚)
「働きすぎなければよかった」「もっと家族と旅行しておけばよかった」「友人や仲間との交流を大切にすべきだった」――。
40年近く高齢者専門の精神科医として6000人を超える方々と向き合ってきた和田秀樹さんは、患者さんが死ぬ間際や死が近づいたと自覚したとき、しみじみと語る後悔の声を聞いてきたことで、人生観や生き方を大きく変えたそうです。
それまでは医学界での名誉を求めていたそうですが、本当に自分のやりたい医療を行ったり、映画を撮ったりする方向にシフトしたのです。性格もおだやかになったといいます。
同氏の新著『医師しか知らない 死の直前の後悔』より一部抜粋し再構成のうえ、本稿では「もっと人生を楽しめばよかった」と後悔する人の声を紹介します。「自分の人生はこれでよかったのか」と考えていませんか?
1回目:『死の間際見てきた医師が語る「最期に後悔する事」
2回目:『元エリートが晩年に医師へ漏らした"最大の後悔"

老後の不機嫌をつくる「過去の栄光」

定年後、なぜかいつも不機嫌そうにしている人がいます。

その理由は人それぞれですが、意外と多いのは、現役時代に高い地位や立派な肩書きを持っていた人です。

そういう人のなかには、昔の地位や肩書きに強くこだわり、プライドにしがみついてしまう人がいます。そして現役時代のように周囲から敬われなくなったり、自分の思いどおりにならなくなったりしたとき、「自分の存在価値がなくなったのではないか」と感じ、その不安を埋めるために、家族や周囲への小言や批判が増えてしまうのでしょう。

けれども、人にきつく当たれば、当然、周りから距離を置かれるようになります。

するとますます孤独感や無力感が募り、「誰からも必要とされていないのではないか」という不安や苛立ちがまた顔や態度に出て、悪循環に陥ってしまうのです。

こうした心理を説明するときに時々引き合いに出されるのが、米国の行動経済学者のダニエル・カーネマンが提唱した「参照点」という考え方です。

次ページ基準点と比べて「上にいるか、下にいるか」で利益・損失を感じる
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事