6000人超の高齢者と向き合ってきた医師が見た 「人生の最期」幸福感を決める"カギの正体" 《幸福のピークは82歳以上》という衝撃の事実

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しかし、幸せというのは自分がどう感じるかという主観的な感覚で決まるもの。「客観的な幸せ」というものは存在しないのです。

「あの人は〇〇だから、私よりも幸せに違いない」などと感じることがあるかもしれませんが、多くの場合、それはただの思い込みです。

周りから見ればどれほど裕福で立派な地位を持っている人でも、本人が心のなかで不満や孤独を感じていれば、けっして幸せとは言えません。

反対に高収入や立派な肩書きがなくても「よいパートナーがいる」「健康で好きなことができる」「信頼できる仲間がいる」などと感じていれば、その人は十分幸せなのです。つまり、幸せというのはあくまで今の自分の心がどう受け止めるかで決まります。

だからこそ、他人と比べたり世間の物差しに合わせたりするよりも、今の自分が持っているものやできていることに目を向けたほうが、幸福感が高まりやすいのです。

歳をとると、人は幸せを感じやすくなる

それから、幸せに関して言えば、多くの人は「歳をとればとるほど不幸になる」と思っているかもしれませんが、実際にはその逆です。人間というのは、実は歳を重ねるほど幸せを感じやすくなるのです。

このことを明らかにしたのが、米国のダートマス大学の経済学者、デービッド・ブランチフラワーらの研究です。世界145カ国を対象に、年齢と幸福度の関係を調べたところ、幸福度が一番高くなるのは82歳以上という結果が出ました(図参照)。

(出典:ギャラップ世界調査/米国ブルッキングス研究所のデータを一部改変)

これは「幸福のU字カーブ」と呼ばれる研究です。人の幸福度をグラフにすると、18歳から徐々に下がり始め、48.3歳で底を打ちますが、その後は上昇に転じ、82歳以上でピークに達するのです。

一般的に高齢になると体力は落ち、足腰も弱っていきます。家族や友人との別れも増え、社会で活躍する場も減っていく。ですから、多くの人が「老後は不幸になる」と思いがちですが、実際には幸福度が上がっていくのです。

この不思議な現象は「エイジング・パラドックス(加齢の逆説)」と呼ばれています。年齢を重ねることで残された時間や選択肢が限られ、かえって今の暮らしに満足できるようになるのです。

しかも面白いのは、この傾向は世界共通だということ。先進国か途上国か、人種や文化の違いも関係ありません。

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