6000人超の高齢者と向き合ってきた医師が見た 「人生の最期」幸福感を決める"カギの正体" 《幸福のピークは82歳以上》という衝撃の事実

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日本でも同じで、49〜50歳で幸福度がもっとも低く、82歳以上に最高になります。

やはり、50代ころまでは仕事や社会的地位、家族関係などにおける期待や目標などの参照点を高めに設定していることが多く、それに現実が追いつかないと不満やストレスを感じやすくなります。

歳をとることでリセットされる

しかし高齢になればなるほど、参照点が下がってきます。80代以降になると、歩くのが困難になったり、体調を崩したり、配偶者を亡くす人も増えてきます。もちろん亡くなる人もいます。そうなると、毎日歩けることや食事を美味しく食べられることなど、「今ある幸せ」に目が向くようになると考えられるのです。

さらに、過去の失敗に対しても、人生の最終段階になると「いろいろあったけど、自分なりに結構がんばってきたよな」と自分を認められる人も増えてきます。

たとえば、「若いころの失敗のせいで、万年係長だった」と悔やんでいた人も、定年を迎えればチャラになります。ある意味で、歳をとることでリセットされるわけです。

ただ、65歳くらいではまだ過去の失敗を前向きに受け止められず、心情的に割り切れない人が多いものですが、80代になるころには「あのときは辛かったけど、振り返ってみれば自分にとって大切な経験だった」と前向きに捉えられる人や、周りを見渡して「皆、似たようなものだな」と思うようになる人も多いのです。

少なくとも年齢を重ねていくことで、自分に対する評価が変わってくる人が多いということは、知っておくと気が楽になるかもしれません。

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人生後半の幸せについては、長く高齢者と接してきたなかで強く感じていることがもうひとつあります。

それは、老後の過ごし方が、その人の人生全体の印象を大きく左右するということです。

若いころにどれほど華やかな成功を収めていても、晩年が不遇であれば「自分の人生は幸せだった」とは思いにくいものです。逆に、若いころに特別な成功がなかったとしても、老後を楽しみ、やりたいことをやりながら暮らしている人は、「この人生も悪くなかった」と納得できるのです。

ですから、晩年をどう生きるかが、その人の人生の締めくくりの幸福感を決める大きなカギになるのだと思っています。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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