有料会員限定

EV普及の遅れで浮上、日本でも本格導入進む「バイオエタノール」ガソリンの拡大可能性と供給余力

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
EV普及が遅れる中、温室効果ガス削減の現実解としてバイオエタノールガソリンに注目が集まる (写真:AlphaBaby/PIXTA)

特集「バイオエタノールガソリンの可能性」の他の記事を読む

EV普及が足踏みする中で、脱炭素化の推進約として期待されるバイオエタノール燃料。食料と燃料を両立させる新たな技術・ビジネスモデルも世界で広がっている。エタノールの最新動向をグローバルな視点から整理する。
第1回 EV普及遅れで浮上「バイオエタノール」燃料の活路(本記事)
第2回 脱炭素化推進のカギ握る「LCA」と「CI」の重要度
第3回 トウモロコシ由来SAFに挑戦「米ランザジェット」の戦略(仮)
第4回 エタノール×CO2回収・貯留「米Gevo社」が描く将来(仮)

2025年10月、アメリカのワシントンDCで「グローバル・エタノール・サミット2025」(GES)が開催された。本来、アメリカのバイオエタノール産業の現状と展望を世界に示す国際会議だが、4回目となる今回は日本やアジア各国からの参加者も多く、35カ国400人以上の参加者が集まった。この会合が世界的に大きな注目を集めているのはなぜか。

日本で急浮上するエタノール

トウモロコシやサトウキビなどから作られるエタノールは「バイオエタノール」と呼ばれる。この20年ほど、自動車などの交通手段の燃料となるガソリンにエタノールを混ぜると、温室効果ガス(GHG)が削減されるとして注目されているからだ。

さらに、地球温暖化に絶対有利とされてきたEV(電気自動車)の普及が計画どおりに進んでいないことは周知の事実になってきた。そうした中で、燃料機関(エンジン車)でもCO2を減らすことができないかというアプローチが広がっており、安定化した技術と生産・供給能力を持つエタノールの役割が急浮上しているのだ。

とくに日本では、資源エネルギー庁の脱炭素燃料政策小委員会が30年までに既存のガソリンに10%のバイオエタノールを混合した「E10」を供給する方針を24年11月に打ち出した。同時に、30年代の早い時期にすべての新車に20%のバイオエタノールを混合されたガソリンを適合させることを進め、40年にはE20(20%のエタノールを混合したガソリン)の供給を開始することも合わせて決定した。

25年5月には「次世代燃料の導入促進に向けた官民協議会」内に「商用化推進ワーキンググループ」を設置。エネルギー庁の決定から一部前倒しをし、28年から沖縄県で先行的にE10の導入も決まった。こうした状況の変化により、日本での関心も高まっている。

次ページエタノールは現実的な選択肢に
関連記事
トピックボードAD