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世界では10%配合がスタンダードな「バイオエタノール混合ガソリン」、日本政府も採用する方針を固めた。導入が進むアメリカでの実態をルポ
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バイオエタノール混合ガソリンを供給するアメリカのガソリンスタンド。世界ではバイオエタノールを10%混合したガソリンがスタンダードで、混合比率の高いガソリンも普及している (筆者撮影)
日本でも「バイオエタノール」を混合したガソリンの導入が予定されている。先行するアメリカなどの事例とともに、普及の道筋を探る。
2030年度までにから10%混合ガソリンの供給開始へ
自動車を持つ読者にとっては、近い将来、ガソリンの給油である変化に直面することになるだろう。
日本政府は、トウモロコシなどから精製されるバイオエタノールを、ガソリンに混合して販売していく方針を固めたからだ。
2030年度までにバイオエタノールを10%混合したガソリン(E10)の供給を始め、2030年代の早期にE20(20%混合)に対応できる新車販売費率を100%にする方針だ。さらに2040年度からはE20のガソリン供給を追い求めていく政府目標を掲げた。
トウモロコシやサトウキビを微生物で発酵させて得られるバイオエタノールは、植物の生育過程で大気中から吸収する二酸化炭素(CO2)の量と燃焼時に発生するCO2の量がほぼ同じ。そのためCO2を増加させないカーボンニュートラル燃料と呼ばれている。
仮に日本で消費されるガソリンをE10にすると、石化燃料のみの場合と比べて年間で数百万トンのCO2削減効果があると試算されている。地球温暖化の原因とされるCO2の削減目標は従来から掲げられている。ただその達成には、ガソリンにバイオ燃料を混合させるなど、これまでよりも大きな削減の取り組みをしなければならない。
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