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エタノール混合ガソリンはアメリカでどう受け止められているか。消費者の6割が肯定的、強力な普及・啓蒙策が必要な事情

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RFAによる消費者とのグループミーティングの様子(写真:RFA)

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トウモロコシやサトウキビ由来のバイオエタノールを10%混ぜる「エタノール混合ガソリン」の導入が日本で予定されている。2030年までに「E10」と呼ばれるガソリンが市販される。
エタノール混合ガソリンは、温室効果ガス(GHG)排出抑制に効果的とされ、すでにグローバルスタンダードとなっている。
アメリカでは2005年に「再生可能燃料基準」がつくられたことを契機に使用が拡大していった。この基準は、ガソリンなどに混ぜるバイオエタノールの最低使用量(混合比率)を定め、石油精製業者に履行を義務づけている。そもそもアメリカでは、1960~1970年代に大気汚染を緩和するために燃料の無鉛化に取り組んだのと同時に、環境性に優れたエタノールをガソリンに添加するようになった歴史がある。
いまでは、E10に加え、一部の州、または季節によって導入されているE15(15%分のバイオエタノールが含まれたもの)を、全米で販売させようという動きもある。また、E85、すなわち85%のバイオエタノールが混合されたものまで売られ始めている。
そんなアメリカで、エタノール混合ガソリンは消費者にどう受け止められているのか。興味深い意識調査が行われており、その結果は、日本での導入に当たっても参考になりそうだ。

アメリカのバイオエタノールの生産者団体である「再生可能燃料協会」(Renewable Fuels Association、RFA)は、バイオエタノールなどの再生可能燃料に関する消費者の意識調査を四半期ごとに行っている。対象は全米の2000人で、オンラインで実施している。

エタノールに肯定的な消費者は5~6割

2024年9月の調査では、「エタノールや再生可能燃料基準を支持するか」という質問に、58%が「支持する」と回答した。それまでの過去の調査でも、おおよそ60%以上が支持する傾向が見られている。

一方、「否定的」との回答は18%だった。過去の調査でも、否定的な回答は10%台後半となる傾向がある。

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