洗足坂上の交差点を渡って、最初の十字路を左に折れ、しばらく行くと右手にレトロモダンな建物が見えてくる。「勝海舟記念館(大田区南千束2-3-1)」だ。
江戸無血開城の直前、新政府軍との会談に臨む勝海舟は、洗足池に立ち寄った。このとき見た風景を大いに気に入った海舟は、明治になってから洗足池のすぐ近くに別荘「洗足軒」を構え、この地を自身の埋葬の地に決めたという。勝海舟記念館はそうした縁のある地に、静かに建っている。
同記念館の前の通りはゆるく下っており、坂のたもとにあるのが洗足池だ。池を取り囲むように、木々が茂り、季節ごとの自然が楽しめる。
ここは都内でも有数のバードウォッチングのスポットだ。1年を通して多くの野鳥が集まる。野鳥をカメラに収めようと、レンズを向ける愛好家たちの聖地にもなっている。
「話をするのはいいけど、ここが野鳥スポットだってあんまり知られたくないんですよね」
愛好家のひとりは、そう言って笑いながら続けた。
「今日は”ジョウビタキ”を狙ってるんですよ。ヒタキ科に分類される小鳥なんですけど、とっても可愛らしい。運が良ければ撮れると思う。
私は板橋区から来てるんだけど、こんな場所が近くにあるなんて、うらやましいかぎりですよ。洗足池の森があるだけでも、住むに値する街ですね」
子育てに最適の街
こうした環境に恵まれた洗足池付近(南千束1〜2丁目、東雪谷1丁目、池上台2丁目)は、近年人口も右肩上がりだ。2009年に1万192人だった人口が、コロナ前の2019年には1万1244人になっている(「洗足池駅周辺地区 まちづくり方針」より)。
洗足池に子連れで散歩に来ていた若い夫婦に話を聞くと「こうして散歩に来られるし、洗足池駅のすぐ近くに商店街(洗足池商店街)もあります。保育園や幼稚園も多いし、子育てにはすごくいい街なんですよね」。
調べてみると洗足池付近には幼稚園、保育園が本当に多い。
マミーズエンジェル上池台保育園(上池台2-15-1)。洗心保育園(南千束2-2-6)。洗足池保育園(南千束3-24-15)。千束保育園(南千束3-23-10)。にじいろ保育園大岡山(南千束3-1-6)。このえ南千束保育園(南千束1-12-2)。はぐはぐキッズ洗足池(上池台2-26-7)。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら