「住みたい街ランキング」常連、渋谷から5分の《三軒茶屋》はなぜ人気が落ちたのか…歩いてわかった"おしゃれな街"から"使われる街"に変わった訳

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三角地帯を歩くと、さまざまなジャンルの飲食店に出会う。ごちゃついた居酒屋ばかりかと思いきや、おしゃれなイタリアンやバー、年季の入ったスナックなんかもあり、飲み歩きが楽しそうなエリアだ。

三軒茶屋
レトロ好きにはたまらない、胸を焦がすスナック(写真:筆者撮影)

展望台から見下ろす“平べったくて雑多な”街

次に向かったのは、三軒茶屋のシンボル「キャロットタワー」。地上27階建で、劇場や生活雑貨店などが入っており、26階には展望台もある。

三軒茶屋
まさにキャロット色をしている「キャロットタワー」。駅前という立地の良さもあり、平日昼間でも多くの人が出入りしていた(写真:筆者撮影)

展望台から三軒茶屋の街を眺めてみると、渋谷からわずか数分とは思えないほど高層ビルが少なく、“平べったい”印象がある。ビルが林立する都心のイメージとは異なる風景だ。

三軒茶屋
キャロットタワーの展望台からは、天気が良い日は富士山も見える(写真:筆者撮影)

三軒茶屋では80年代以降、駅周辺を中心に再開発の構想が繰り返し検討されてきた。しかし、道路が狭く、住宅と商業施設が混在したエリア構成であることに加え、地権者が多く調整が難しいことから、大規模な再開発は限定的にとどまっている。

結果として、新しい建物と昔ながらの路地や飲み屋街が混在することになった。三軒茶屋に感じる「雑多さ」は、意図的に作られたものではなく、歴史の中で自然に生まれた特徴のひとつと言えそうだ。

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