キリスト、釈迦がともに苦しんだ断食による「血糖値の上下」がもたらす心の揺れと、悟りの関係
キリストや釈迦の物語が示す「揺れない心」は、血糖を整えることによって現代の私たちにも十分到達可能である(写真:stella/PIXTA)
「今日、朝ごはん抜いてないですか?」
「寝不足? 真夜中に起きることが多くないですか?」
言われた相手は目を丸くして「なんでわかるんですか?」と驚く。
小池雅美医師は相手の見た目から、体の状態を言い当ててしまう特技を持つ。
その根拠となるのは無論、霊感の類いではなく、漢方・栄養療法のみならず、各種統合医療を通じて培ってきた豊富な経験にある。その人の顔貌、姿勢などから患者の栄養状態を言い当てる洞察力と血液データの読解力を駆使し、多くの患者を改善に導いてきた。
現在は外来の傍ら、全国で医師・医療従事者向けに栄養療法のセミナーを行い、業界でその名を知られる小池氏が、このたび初の著作「気分の9割は血糖値」を上梓。発売1カ月ですでに3刷と、大きな反響を呼んでいる。
「気分や集中力は血糖値の影響を強く受けています。だからこそ、血糖を安定させることは、ビジネスパーソンにとって『体調管理』を超えた戦略的スキルとなりえます。またそれを逆手にとれば、仕事術や人間関係の改善にも使うことができます」と小池氏。本稿では「釈迦とキリストも経験した血糖値とメンタルの関係」について語る。
キリストと釈迦、共通する心の揺れと血糖
12月になると街は光に包まれ、自然とキリストの物語に触れる機会が増える。
クリスマスは「ルカによる福音書」に記されたイエスの誕生を祝う日であるが、そこに描かれるイエスの生涯には、現代人にも深く響く“心の揺れ”と向き合う象徴的な場面が登場する。
それが、新約聖書「マタイによる福音書」に記される荒野での断食のエピソードである。
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