「食後ときどき高血糖」で体内が酸化する
血糖値が下がりすぎるのは問題だが、高いままなのもよくない。血糖値が上がったままの状態を高血糖と呼び、次のような症状が表れる。
・喉の渇きと空腹感
・視界のぼやけ
・頻尿
・頭痛
慢性的な高血糖状態は前糖尿病段階や本物の糖尿病につながるだけでなく、食後にときどき高血糖状態になるだけでも、体内の酸化ストレスのもととなる。酸化ストレスはミトコンドリアに損傷を与え、エネルギー産生能力を低下させる。
エネルギーレベルへのもう1つのダメージとして、食後のグルコース急上昇による酸化ストレスは、免疫系を刺激して炎症を誘発するシグナル伝達分子を分泌させる。これは前述した「疾病行動」によって疲労をもたらすだけでなく、神経性炎症につながって、最終的に神経変性疾患や認知機能障害を引き起こす恐れがある。
また血糖値の急上昇は、脳内のオレキシン・シグナル伝達も抑制する。オレキシンは、覚醒して体を動かしたい気持ちにかかわる神経伝達物質だ。血糖値のコントロールがうまくいかず、オレキシンのレベルが低くなると、通常よりはるかに疲れやすくなる。
どんな健康状態だろうと、血糖値のコントロールがうまくいっていないと、正常なエネルギーレベルは保てない。食後の血糖値急上昇と、反応性低血糖はどちらも、とくに脳内の酸化ストレスとミトコンドリア機能不全を引き起こす。