キリスト、釈迦がともに苦しんだ断食による「血糖値の上下」がもたらす心の揺れと、悟りの関係
「世界の国々と栄華を見せる誘惑」は、もちろん宗教的にはイエスが誘惑を退け信仰を示す重要な場面であるが、こうした心理的揺らぎの象徴として読むこともできる。
釈迦の悟りを妨害した“3段階の揺れ”
イエスの荒野での出来事は、極限状態で揺れ動く心を象徴的に示す物語であるが、興味深いのは、まったく異なる時代・文化を背景にもつ仏教にも同様の展開が見られるという点である。
釈迦が悟りに至る直前、仏典によればマーラ(魔)が3段階の妨害を行ったとされる。
1 修行をやめよ(疲労・撤退の誘惑)
2 娘たちによる誘惑(衝動・欲望の刺激)
3 軍勢による攻撃(恐怖の増幅)
仏教ではこれらを煩悩の象徴として解釈するが、現代の生理学的視点から見れば、「低血糖 → 回復期の衝動 → 静まる直前の不安」という流れと一致している。
生理学的プロセスとして、低血糖になるとエネルギー不足になって集中力が低下して倦怠感が現れる。ここで「修行をやめよ」という第一の誘惑が起こる。
低血糖の次の段階としてアドレナリンなどのホルモンが分泌されて一時的な興奮状態となる。その後血糖値が安定しはじめる直前の状態では不安感・恐怖が高まるという現象が現れる。
マーラの妨害はこの3つのフェーズをそのまま踏襲していると言える。


















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