精神科医も悩む「患者本人が望まない入院」の問題 必要であっても日常的な罪悪感を抱えている
医療ドラマを観ない理由
基本的に医療ドラマは観ないし、医療をテーマにしたドキュメンタリーとかもあまり観ない。医者になる前はそうでもなかったのだけれども、医者になってからは特に顕著で、表面的には家に帰ってまで医療現場のことについて考えたくない、ということにしていたのだけれども、よくよく考えてみれば、私は家に帰ってからのほとんどの時間を文筆の作業をする時間に充てており、そのうち半分くらいは医療に関する内容である。家に帰ってまで考えたくない、などというのは明らかに気のせいである。
もう一つ表面的な理由があるとすれば、医療ドラマとかを観ていると粗探しをしてしまうというか、どうしても変なところが目に入ってきてしまって、そのことばかり気になってしまう、というのがある。「先生、目を覚ましました!」「もう大丈夫! ミサキさんは助かったんです!〈壮大なバラード曲〉」みたいなくだりも、ドラマ上の演出であると思えばいいのだが、どうしても単に鎮静を切っただけではないか、とか、モニターをみる限りはずっとバイタルは安定しているようだが……みたいなことがノイズとして頭に浮かんでしまって集中できない。
とはいえ別に医療ドラマでなくとも、多くのドラマで病院のシーンというのは出てくるし、それだけが医療ドラマを観ない理由とは思えない。もっと核心的な理由がある気がする。
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