昭和スポ根漫画を彷彿させる"令和のシン根性論" 『ライバルはいるか?』書評

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『ライバルはいるか? 科学的に導き出された「実力以上」を引き出すたった1つの方法』金間大介 著
ライバルはいるか? 科学的に導き出された「実力以上」を引き出すたった1つの方法(金間大介 著/ダイヤモンド社/1760円/256ページ)
[著者プロフィル]金間大介 (かなま・だいすけ)/金沢大学教授。東京大学未来ビジョン研究センター客員教授。博士(工学)。博士号取得までは応用物理学を研究していたが、博士後期課程中にイノベーションマネジメントに魅了されて以来、イノベーション論、モチベーション論などを研究。

心に負荷をかける「競争」は好ましくない。そんな空気の中、現代においては他者を「ライバル」と認識すること自体に後ろめたさを覚える人も多いのではないか。「『負けたくない』という気持ちが、あなたの人生を豊かにする」という宣言から始まる本書は、そんな時代に抗(あらが)うかのようだ。著者は、ライバルという競争相手がかけがえのない大切な存在であることを、さまざまな角度から説く。

ライバルという存在の必要性

まず「ライバルは敵か、味方か(第1章)」という問題提起がなされ、続いて、「みんな仲良く」という社会の空気がなぜ醸成されたのかを考える。「日本企業の職場環境は無菌状態化されている」という著者の見立てに基づき、その功罪も俎上に乗せられる。そのうえで、「ライバルの真のイメージ──それは本当にネガティブな存在なのか(第3章)」と概念の更新を迫る。

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