依存症(アディクション)は、誰でも陥る可能性のある身近な疾患だ。2016年の研究によると、日本国内で、アルコール依存症の状態を経験したことのある人は約109万人、ギャンブルなどの行為依存症では同約320万人と推定されている。
文学者による自己エスノグラフィー
多くの人が治療を受けて、あるいは潜在的なリスクに苦しんでいる一方、依存症の具体的な姿を見聞きする機会は非常に限られている。
経済的破綻や家庭崩壊、触法行為などにたどり着く人の多い依存行為は、社会的な逸脱と認識されているためだ。一般の人が日常的に触れられるのは、行政や医療機関が提供する情報か、著名人が触法行為で逮捕されたという報道程度。当事者から経験が共有されることはまれだ。
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