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〈今週のもう1冊〉『地方女子たちの選択』書評/富山県出身、在住14人の人生。有限の選択肢から何を選ぶか

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『地方女子たちの選択』上野千鶴子、山内マリコ 著
地方女子たちの選択(上野千鶴子、山内マリコ 著/藤井聡子 協力/桂書房/1980円/268ページ)
[著者プロフィル]
上野千鶴子(うえの・ちづこ)/1948年生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。女性学・ジェンダー研究のパイオニア。
山内マリコ(やまうち・まりこ)/1980年生まれ。小説家。著書に『ここは退屈迎えに来て』『あのこは貴族』など。
藤井聡子(ふじい・さとこ)/1979年生まれ。ライター。著書に『どこにでもあるどこかになる前に。〜富山見聞逡巡記〜』。
さまざまな分野の専門家が、幅広い分野から厳選した書籍を紹介する。【土曜日更新】

ライフヒストリー、生活史という言葉を目にする機会が増えた。辞書によれば「個人の一生の歴史。社会学や文化人類学では、文化や社会を理解する資料として、聞き書きなどの方法により収集される」である。

本書は14人の女性のライフヒストリーを収録する。1959〜2000年生まれ、共通するのは、富山県出身あるいは在住であること。

14人の女性が選択した「地方」での生き方

社会学者・上野千鶴子(48年生まれ)と小説家・山内マリコ(80年生まれ)も、富山に生まれ、富山を出た2人だ。地方創生といわれるようになって久しいが、人の流出には歯止めがかからない。とくに富山は出ていく若者のうち女性が男性の2.32倍、全国2位と高い割合だという。

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