世界中の投資家の注目を一身に浴びた決算は、まさに「満額回答」の中身だった。
アメリカの大手半導体メーカー・エヌビディアは日本時間の2月22日早朝、2024年1月期の決算を発表した。売上高は609億ドルと前期比で約2.2倍、純利益にいたっては同8倍超。強烈な数字だった。
GPU(画像処理装置)を主力製品とするエヌビディアは、「ChatGPT」が火をつけた生成AIブームの追い風を一身に浴びる企業として株式市場で注目されている。
この1年で3倍に拡大した時価総額は足元で250兆円。日本企業トップであるトヨタ自動車の約4倍で、グーグルの親会社・アルファベットに肉薄する。
半導体は産業の裾野が広いため、エヌビディアの業績・株価の急拡大は関連企業にも波及。2023年後半からの株式市場を牽引した半導体関連銘柄の“総本山”のような存在だ。
日本の半導体関連企業の株価も押し上げ
今回の決算は、今後も半導体銘柄の「AIフィーバー」が続くかどうかの分水嶺だと見られていた。株式市場にとって、同社の大幅な増収増益はもはや当たり前。「市場予想をどれだけ超えられるか」が焦点だった。
市場予想を下回れば株式市場全体に冷や水を浴びせかねない状況だった。だが、2023年11月〜2024年1月の売上高は221億ドルで着地。2024年2~4月は240億ドルを見込むと発表した。それぞれ市場予想を大幅に上回る数字だ。
文句なしのエヌビディアの強烈な決算によって、日本の半導体関連企業の株価も押し上げられた。
世界大手の半導体製造装置メーカー・東京エレクトロンの2月22日の株価は約6%、GPUの検査装置を手がけるアドバンテストは7.5%上昇。同日の日経平均株価は前日比で836円上昇し史上最高値を更新。そのうち337円をこの2社だけで押し上げた計算だ。
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