エヌビディアが「生成AIブーム」で確変モード入り データセンターのAI向け半導体で8割のシェア

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エヌビディア
エヌビディアの画像処理半導体(GPU)はAIの学習や推論に不可欠となっている(写真:エヌビディア)

2023年の年初から3倍になった時価総額は、日本の上場企業でトップに君臨するトヨタ自動車の約4倍。アメリカの上場企業の中ではアップル、マイクロソフト、アルファベット(グーグル)、アマゾンなど名だたる巨大IT企業に次ぐ5位に位置する――。

5月末に時価総額が一時1兆ドルの大台に乗ったことで話題になったのが、アメリカの半導体メーカー・エヌビディアだ。

同社はGPU(Graphics Processing Unit)と呼ばれる画像や映像の処理を専門に行う半導体を手がける。ゲーミングPCなどで映像をなめらかに表示するために用いられてきたGPUは近年、自動運転技術や暗号資産の採掘作業(マイニング)で高度な演算処理の担い手として脚光を浴びた。

そして今、GPU需要拡大の新たな起爆剤となっているのが、「データセンター」とChatGPTに代表される「生成AI用語解説)」だ。

※用語解説は外部配信先では閲覧できない場合があります。その場合は東洋経済オンライン内でお読みください

データセンター向けが急成長

エヌビディアの足元の業績は渋い。5月24日に発表した2023年2〜4月期の売上高は71億ドルと、前年同期比で13%減となった。GPUのメインの売り先の1つであるゲーミング向けが足を引っ張った形だ。

一方で株式市場が目をむいたのが、2023年5〜7月期の売上高見通し「110億ドル前後」という数字だ。これは株式市場の予想のおよそ2倍の額。市場予想をはるかに凌駕するあまりのポジティブサプライズに、翌日の株価は前日比で30%近く急騰した。

エヌビディアの売り上げ推移

 

エヌビディアの業績をみると、2017年前半までデータセンター向けは売上高の1割程度に過ぎなかった。それがじわじわと拡大し、足元では売上高の6割を占めるまでになっている。

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