S&Pグローバルのデータによると、6月18日、NVIDA(エヌビディア)はハイテク業界で最も有名な2社を抜き去り、世界で最も価値のある上場企業となった。その上昇の原動力となったのは、人工知能(AI)のブームと、AIシステムの構築を可能にした同社のチップ(グラフィック・プロセッシング・ユニット、GPUと呼ばれる)への需要の急増である。
2年間で4000億ドル→3兆3400億ドルに
エヌビディアの躍進は市場史上最速の部類に入る。わずか2年前、同社の市場評価額は4000億ドル強だった。それが今や、1年で1兆ドルから3兆ドル以上になった。
18日、エヌビディアの株価は3.6%上昇し、その価値は3兆3400億ドルに達した。マイクロソフトとアップルは共に下落し、シリコンバレーのチップメーカーの後塵を拝した。
エヌビディアの上昇は、AIがいかに世界の大企業を動揺させたかを物語っている。この強力なテクノロジーの台頭は、1月にマイクロソフトを時価総額トップに押し上げ、アップルを追い落とした。先週、アップルもAI市場に参入し、今秋にはiPhoneを含む自社製品にこの技術を追加すると発表している。
エヌビディアのジェンセン・フアン最高経営責任者(CEO)は、他の大手半導体企業よりも何年も早く、GPUがAIの構築に不可欠であることに賭け、ハイテク技術の次の大きなブームになると信じていたことに対応するために会社を調整した。
彼の大きな賭けは報われつつある。ある指標では、エヌビディアはAIシステムに使われるチップの市場の80%以上を支配している。エヌビディアの最大の顧客は、巨大なデータセンターでコンピューターを動かすためのチップの注文を定期的に取り合っており、1つのサプライヤーにそれほど依存しないように、独自のAIチップを構築している。