｢AI半導体の王｣エヌビディアに競争激化の予兆 対抗しうるライバル製品が次々登場

エヌビディア製品に代わる、信頼できる選択肢がついに現れる――。その兆しが見えてきた。

（写真：Jim Wilson／The New York Times）

テキサス州オースティン南部では半導体メーカー、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ（AMD）のエンジニアたちが「MI300」というAIチップを設計した。このチップは1年前に発売され、発売初年度で50億ドル以上の売り上げになると予想されている。

そこからそう遠くないオースティン北部の高層ビルでは、アマゾンの設計者たちが「Trainium（トレーニアム）」という高速の新型AIチップを開発した。

テキサス州の州都におけるこの2つの取り組みは、急速に進むAIチップ市場の変化を反映したものだ。AIチップは現在、おそらく最も注目され、需要の高い技術である。

業界を長らく支配してきたのは、AIチップを活用して時価総額3兆ドル規模の巨大企業に成長したエヌビディアだ。他社は、何年にもわたり、AIタスクに膨大な計算処理能力を提供する同社のチップと肩を並べようと努力してきたが、進展はほとんどなかった。

しかし今、AMDとアマゾンが開発したチップによって、エヌビディア製品に代わる、信頼できる選択肢がついに現れる兆しが見えてきた。

エヌビディアを上回るコスパ