GPUは元々、3Dゲームなどの描画をなめらかに行うための半導体として使われてきた。だがGPUの性能が生成AIの開発や処理に適していることから、「AI半導体」として需要が急増した。
AI開発のためのGPUでは、その使いやすさからエヌビディアが圧倒的な強さを誇る。大手クラウド事業者であるアマゾンやグーグル、メタ、マイクロソフトといった巨大IT企業が、こぞってエヌビディアのGPUを買い求めた。
2024年1月期のデータセンター向け売上高のうち、こうした大手企業向けが過半を占めたようだ。
ポイントの1つは「中国向け事業」
エヌビディアの今後を占ううえで市場が注目していたポイントの1つは、中国向け事業の動向だ。
アメリカ政府は2022年10月、エヌビディアの主力GPU「H100」「A100」の中国への輸出を規制した。規制を回避するため、エヌビディアは性能を抑えた中国向け製品「H800」「A800」を開発・出荷していた。
だが、いたちごっこは続く。アメリカ政府が2023年10月に導入した新たな規制によって、中国専用品の出荷も停止に追い込まれてしまったのだ。2023年8月〜10月のデータセンター売上高のうち中国向けが20〜25%を占めていただけに、影響が懸念されていた。
結果的にはほかの地域への供給でカバーし大幅な増収となったものの、2023年11月〜2024年1月の中国向け比率は1桁台%にまで落ち込む大打撃を受けたようだ。現在は、さらに新たな規制に対応した製品の出荷を進めていることを明らかにした。
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