もう1つの焦点は、供給の問題だ。
エヌビディアは、自社工場を持たずに製品の企画・設計に特化。製造は台湾の半導体製造受託会社であるTSMCに委託しているが、昨年以来、急増する需要に生産が追いついていない状態が続いていた。
エヌビディアの決算説明会でジェンスン・ファンCEOは、「全体的に供給状況は改善している」とした一方で、「すべての新製品は需要が供給を上回っている。今後も需要は供給を上回るだろう」と話した。
新製品投入ペースは緩めず
製造委託先であるTSMCは、生産のボトルネックになっている先端品の組み立て工程の工場を建設するなど増産を進めている。
同社の魏哲家(シーシー・ウェイ)CEOは1月に行われた決算会見で、同工程の状況について「十分な生産能力を提供できない状況はおそらく来年まで続くだろう。2024年は生産量を2倍に増やしているが、2025年も増産を続ける」とコメントしている。
需給が逼迫する中でもエヌビディアは、より高性能な新製品の投入ペースを緩めていない。今年半ばからは「H200」の出荷を開始する予定。生成AIが回答を出力する際に必要な推論の能力を、2022年に発表した現在の旗艦GPU「H100」の2倍に高めたモデルだ。
今後も市場の期待を超えるスピードでの成長を続けられることができるのか。そのハードルはますます高まっている。
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