
今年の夏、メタのCEOマーク・ザッカーバーグは、リシャブ・アガルワルを同社の新しいAI研究所に加わるよう誘い、数百万ドル相当の株式と給与を提示した。
ザッカーバーグはこの新しい研究所で、人間の脳の能力を凌駕する可能性を秘めた「スーパーインテリジェンス(超知能)」の技術を構築したいと語った。超知能を生み出す方法は誰にもわからないが、ザッカーバーグはアガルワルに思い切って挑戦するよう促した。
急速に変化する世界において、最大のリスクはリスクを取らないことだとザッカーバーグはアガルワルに説いた。
しかしアガルワルは、この時点でメタの社員だったものの、オファーを断り、別の会社に移籍した。
ザッカーバーグの誘いを蹴ったスターの転職先
アガルワルは、ここ何週間かでメタ、オープンAI、グーグルのディープマインドをはじめとする大規模なAIプロジェクトを辞めてシリコンバレーの新たなスタートアップ、ピリオディック・ラボに加わった20人以上の研究者の1人だ。彼らの多くは数千万ドル、場合によっては数億ドルもの報酬をなげうって転職した。
メタなどのAI研究所が超知能や、それと類似した概念である汎用人工知能(AGI)といった漠然とした目標を追い求める中、ピリオディックは、物理学や化学などの分野で新たな科学的発見を加速させるAI技術の開発に照準を絞っている。