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「買収に辣腕」テルモ社長が語る大型M&Aの焦点 インドで新たな製造拠点の新設も視野に入れる

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鮫島光/さめじま・ひかる 1964年生まれ。慶応大学経済学部卒業後、1988年東亜燃料工業(現ENEOS)入社。シティバンク、エヌ・エイを経て、2002年にテルモ入社。2014年に執行役員。2022年に専務経営役員。2024年4月から現職(写真:尾形文繁)
心臓血管治療で使うデバイスが主力の医療機器大手テルモ。2025年3月期は2期連続で純利益が過去最高を更新する計画で、4期連続での増収増益になる見通しだ。医療業界の人手不足やDX化の遅れが表面化したコロナ禍を経て、何が課題として残り、一方で何が商機となっているのか。今年4月の就任後にM&A(企業買収・合併)への意欲を強調していた鮫島光社長に話を聞いた。

――2020年以降のコロナ禍では医療従事者不足などの医療界の課題が顕在化しました。

コロナの影響はマイナスとプラスの両面がある。まずネガティブな影響は、コロナの最中では病院での手術件数が減ってしまったということ。今はだいぶ回復しているが、完全にコロナ前の水準にまでには戻っていない。

理由の1つは、以前に比べて患者自身が病院に行くことを慎重に考えるようになったこと。もう1つは、「この治療は本当に費用対効果が見込めるのか」という厳しい視線が注がれるようになったことだ。コロナを通じて病院側は、医療従事者不足や経営の厳しさを改めて認識した。医療界全体で最適な費用で最も効率のよい治療を取捨選択する意識が高まっている。

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