
末期肺がんを患う女性が頼ったオンライン診療とは…(写真:Lukas/PIXTA)
本当は家で過ごしたいけれど、介護する家族への負担を考えると……。在宅ケアの現場では時折、周囲への配慮から自分の気持ちにフタをしてしまうケースが見られる。
これまで1000人を超える患者を在宅で看取り、「最期は家で迎えたい」という患者の希望を在宅医として叶えてきた中村明澄医師(向日葵クリニック院長)が、“在宅ケアのいま”を伝える本シリーズ。
今回のテーマは「在宅ケアとテクノロジー」。コロナ禍を機に普及が進むオンライン診療や、在宅介護の分野でも広がり始めた介護者の負担を減らす技術、見守りサービスの使い方などについて、エピソードを基に解説する。
緩和ケアをオンライン診療で
進行した肺がんによる痛みをコントロールするため、筆者が担当する緩和ケア外来に通院していた女性Aさん(53)。月に1回の頻度で通院していたのですが、それだけでは症状を抑えることができず、月に2回の診察が必要になりました。
しかし、Aさんのご自宅は公共交通機関を使うには不便な立地で、車での移動が中心。Aさんは運転免許を持っていなかったため、通院時にはいつも夫が会社を休んで送迎していました。
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