「介護は嫁にやらせよう」「家族は忙しいから自分1人でやろう」は破綻する!”介護サービス”を頼らないことは社会迷惑にすらなる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
車椅子に乗った男性と介護スタッフ
 介護は、外部の力を頼ることが大切です(写真:Luce/PIXTA)
もしも家族が認知症になってしまったら、最後まで自宅で看たいと思っている人は少なくないかもしれません。ですが、認知症の専門医である長谷川嘉哉氏は、「現代では、家族だけで世話することはほぼ不可能。国の制度を使って介護サービスや施設を存分に利用するべきです」といいます。『認知症は決断が10割』から一部抜粋・再構成のうえ、著者の長谷川氏と編集者T氏との会話形式で、「理想的な介護の形」について解説します。

「家族だけで介護するのは無理」と心得る

長谷川:最初に、認知症介護において、いちばん大切なことを言います。

「自分の親は、自分で看る」。そう決断してほしいんです。お嫁さんの介護を当たり前だと思ってはいけません。当たり前のことですが、これが今は、できていないんですよ。

編集T:いや……でもやっぱり、患者さんの息子が家の稼ぎ頭で、外で働いているなら、家にいる時間が比較的長いお嫁さんに看てもらわなきゃいけないんじゃ?

長谷川:というか、そもそも今って、認知症の患者さんのお世話を、家族だけですること自体が不可能なんですよ。なんせ家の中に介護ができる人間がいないんですから。

少子高齢化で、日本の平均世帯人数は今や2.21人(2020年時点。国立社会保障・人口問題研究所による推計)。1世帯に2人しかいないわけです。子どもが巣立ったあとの家庭って、実際そうでしょ?

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事