「介護は嫁にやらせよう」「家族は忙しいから自分1人でやろう」は破綻する!”介護サービス”を頼らないことは社会迷惑にすらなる

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施設に預けたら終わりではなく、施設に入った患者さんのために、家族にはすべきケア、できるケアがあります。

ですから、家で看るのが大変な段階が来たら、迷わず介護施設の力を頼る。まずは、そんなことを覚えておいてくださいね!

1人で介護している男性に伝えたいこと

最近は認知症の親御さんの面倒を、退職後の息子さんが看ることも増えてきました。高齢化が進んで親御さんが長生きしますから、認知症が出てくるのが、息子さんの退職後……ということも多いんですね。

そのとき、お嫁さんはパートをしているなどして、家の中で時間があるのは退職後の息子さんだけのこともあります。あるいは、未婚の方が1人で親御さんの介護をしているケースも多いです。

それで、男性の介護者さんなんですが、「やる」と決めたら、とことんやろうとする方が少なくありません。しかも、男性の多くは、周りの力を頼ることに慣れていません。そのせいで、患者さんの食事のお世話を始め、通院や散歩の付き添いや、入浴のお世話、おむつ交換なども、たった1人でやろうとします。そうやって頑張りすぎた結果、介護ウツになる方がけっこういるのです。

『認知症は決断が10割 介護は、決断次第で天国にも地獄にも!』
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そんな男性介護者さんにお伝えしたいのが、「外部の力を頼ることを覚えてください」ということ。

私も男だからわかりますが、「助けてほしい」と周囲に言うの、慣れていないとちょっと勇気がいりますよね。

でも、1人しかいない介護者さんが倒れると、患者さんの面倒を看る人がいなくなってしまいます。そうなれば困るのは患者さんです。

ですから、介護者さんに余裕があるうちから、ケアマネジャーや介護サービスなどの外部の力を頼れるようにしておく。 

それが、あなたの大切な家族を守ることに繋がります。

長谷川 嘉哉 認知症専門医

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はせがわ よしや / Yoshiya Hasegawa

1966年、名古屋市生まれ。名古屋市立大学医学部卒業。医学博士、日本神経学会専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本老年病学会専門医。祖父が認知症になった経験から医師の道を志す。病気だけでなく生活、家族も診るライフドクターとして活動し、医療、介護、社会保障サービスから民間保険の有効利用にまで及ぶ。在宅医療では開業以来、70,000件以上の訪問診療、1,000人以上の看取りを実践している。現在、医療法人ブレイングループ理事長として、在宅生活を医療・介護・福祉のあらゆる分野で支えるサービスを展開している。主な著書に、『親ゆびを刺激すると脳がたちまち若返りだす!』(サンマーク出版)、『認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ歯を守りなさい!』、ベストセラーになった『ボケ日和』。また『マンガ ぼけ日和』矢部太郎著(すべて、かんき出版)の原案などもある。YouTube『長谷川嘉哉「ボケ日和 転ばぬ先の知恵」チャンネル』も。

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