「介護は嫁にやらせよう」「家族は忙しいから自分1人でやろう」は破綻する!”介護サービス”を頼らないことは社会迷惑にすらなる
編集T:家庭は? どうなるんですか?
長谷川:破綻します! だってTさん、もしあなたが「妻は忙しいから、自分1人で母を介護しよう」と頑張った末に倒れたら? そして、そのとき、訪問介護サービスも、デイサービスなどの通所系サービスも、介護施設も使っていなかったら?
介護のすべてを1人で抱え込むことになるお嫁さんは、がんじがらめになって、仕事にも出られず、家計は破綻し、税収も減り……。そんな家族が増えれば、介護保険制度も破綻です。つまり、家族だけで看るのって、社会迷惑ですらある。今って、家族の外にある介護サービスを頼るのが常識なんです!
患者さんや、介護をしない家族の中には、「デイサービスなんて行きたくない」「施設には入れたくない」という方も多いんですが、行ってもらわなければ、家庭も社会も破綻しかねない。
ですから、そうしたサービスをどんどん使うのが、社会のためでもあるんです!
「看取りは自宅で」という先入観を捨てる
長谷川:さらに、認知症患者さんのご家族にしてほしい重要な決断があります。それが、「ボケた家族を最期まで自宅で看る」とか、「看取りは自宅で」という先入観を捨てる、という決断です。
編集T:そ、それって、ボケたら最期まで施設に入れとけ……ってことですか? いやいや先生、それはさすがに冷たすぎません⁉
長谷川:冷たくないです。施設に預けっぱなしで面会にも滅多に行かないのなら、それは冷たいと思いますけどね。
でも、一般的な家庭の介護要員は今やとても少ない。だから、徘徊が出た患者さんや、寝たきりの患者さんを家で最期まで看るのは、現実的に非常に厳しいんです。あ、認知症患者さんは最後には寝たきりになることが多い。老衰と一緒です。
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