「介護は嫁にやらせよう」「家族は忙しいから自分1人でやろう」は破綻する!”介護サービス”を頼らないことは社会迷惑にすらなる

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編集T:そ、そりゃ、寝たきりの人をうちで看るなら、誰かしらいつもそばに付いている人が必要だから、人手がないのは致命的かもしれませんけど……。でもそれなら、介護保険を使って、訪問介護さんに来てもらえばいいのでは?

長谷川:まぁ、やりたいなら、そうするのもいいですけど。でも今、それやっているお宅って、ほとんどないんですよ。

私が経営している医療法人でも、開業当初から「ずっと我が家で暮らしたい」という患者さんの希望を叶えるために、自宅での看取りのお手伝いをしてきました。

でも、年々そうしたお宅が減ってきて、2000年の開業時は100%自宅での看取りだったのが、2023年の自宅での看取りはたったの1割。残りの9割は施設での看取りでした。

編集T:自宅は1割! そんなに少ないんですか!

施設に預けたら終わり、ではない

長谷川:やっぱり、どれだけ長く生きるかわからない認知症患者さんを、ずっと家で看続けるのは、精神的にも肉体的にもしんどいですからね。超・高齢化で患者さんの寿命がどんどん延びている現在、自宅での介護や看取りは時代遅れなんです。

たとえば、これが末期がんの患者さんで余命わずかだとわかっているなら、自宅での看取りもアリだと思うんですけども……。

編集T:でも施設だなんて……。なんだか親を見捨てるみたいで。

長谷川:……あれ? もしかして、患者さんを施設に預けたら、家族は何もしなくていいと思っています? とんでもない! 患者さんが施設に入っても、ご家族にはやることがけっこうあります。家族のお世話の手間は半分程度に減るだけです。

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