他人事じゃない「高齢の親を虐待」しないための手 「困ったときに吐き出せる場所があるか」がカギ

✎ 1〜 ✎ 28 ✎ 29 ✎ 30 ✎ 31
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
長年の介護の末、介護者が介護を受けている相手を……という事件は、悲しいことに後をたちません(写真:Luce/PIXTA)
長期にわたる介護の末、介護者が配偶者や親、子どもをあやめてしまうという悲惨な事件が後を絶たない。
これまで1000人を超える患者を在宅で看取り、「最期は家で迎えたい」という患者の希望を在宅医として叶えてきた中村明澄医師(向日葵クリニック院長)の連載。今回は、家族が介護で追い詰められないためのコツや、制度の賢い使い方、ケアマネジャーとの付き合い方などについて紹介する。

高齢者虐待の相談・通報は4万件弱

2024年11月、81歳の妻の首を絞めて殺害したとして、84歳の夫が警察に逮捕されるという痛ましい事件が、大手メディアなどで報道されました。

報道によれば、夫婦は二人暮らし。妻は要介護1の介護認定を受けており、デイサービスに通っていたものの、最近は家にいることが多かったようです。夫が自ら「妻をあやめてしまった」と110番通報したことで、事件が発覚したという経緯でした。

長年の介護の末、介護者が介護を受けている相手(配偶者や親、子ども)をあやめてしまうという事件は、悲しいことに後を絶ちません。

令和4年度の厚労省の調査によると、高齢者の世話をしている家族、親族、同居人などによる高齢者虐待について、相談・通報があった件数は約3万8000件、そのうち虐待と判断された件数は約1万7000件で、深刻な現状がうかがえます。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事